[ポケットの中の戦争 感想]令和三年に初めて「ポケ戦」を見た件

2021年2月13日、20日

YouTube「ガンダムチャンネル」にて

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争

こちらの作品の無料配信があり、ここで初めて「ポケ戦」を見ました。

2021年から数えると32年前の作品になるのですね…。

今回はそんな「ポケ戦」についての感想を書いてみます。

ネタバレ注意です。よろしくお願いします。

 

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 とは?

 内容に触れる前に、少しだけ「ポケ戦」について調べてみました。

1989年にガンダムシリーズのOVA作品として発表された本作。全6話での構成で物語は進行します。

作品としては独立した作品となっているので、この作品で初めてという方でも問題なく見れます。

シリーズ作品の発表順としては、

初代ガンダム→Zガンダム→ZZガンダム→逆襲のシャア→ポケットの中の戦争

という順番になるみたいです。かなり初期の作品にあたりますね。

小説後のBlu-rayボックスとしての発売等、今でも触れることのできる媒体が多いのは嬉しいです。

声優の浪川大輔さんが、主人公アルの声を担当しています。声変わりをする前に収録されているということもあり、こちらも注目ポイントですね。

人間ドラマと立場の話

 本編の感想に触れていきます。ガンダムのゲームでも「ポケ戦」が登場する機会が多いので、そういった作品に触れていたこともあり、結末はすでに知っていました。とはいえ、30分の全6話を見ただけで、こうも最後の瞬間に対する気持ちの向きようが変わるとは思ってもみませんでした…(笑)

アルとバーニィの関係や、それを取り巻く戦争の話が繊細に描かれています。

今までは、主役がガンダムに搭乗して、戦いの中を生きていくというのが時系列的にも多かったのですが、本作ではそもそも戦わないアルが主人公ということもあり、視聴者の目線も大きく変わってくると思います。

立場の違いで、敵と味方の関係ができてしまう戦争。でも、お互い守りたいものがあったり、何気ない日常を過ごしていたりがあるわけです。派手な戦闘シーンがないぶん、そういった人間的な面に触れている本作では、登場人物一人一人に強い人間味を感じて、より近い存在のように感じることができました。だからこそ、辛さも段違いな部分がありますが…w。

アニメでは、主役がいて、主役を支えるメインキャラがいて、かっこよく活躍していくわけですが、本作ではどちらかというと、本来なら名もなきキャラとして扱われる可能性のあるキャラクターたちがメインです。量産型のモビルスーツに搭乗。裏から工作員として動いたり。そういったシーンが多いです。

クリスはガンダムのパイロットですが、あくまでテストパイロットであり、過去作に搭乗しているようなメインパイロットとは扱いが違います。

そういった面も含めて、本来ならピックアップされないポジションのキャラクターが戦争の舞台でどう生きてきたのか。そんな側面に触れることができます。

前半3話、後半3話

 前半、後半で話の流れが大きく変わります。前半は普通の日常(ちょっと家庭環境はしんどい部分もありましたが…)を過ごしているアルが、バーニィたちと出会って知らなかった場面に触れていく、ワクワクした冒険的な内容が強いです。

そこまで、戦争のことを知らないアルが、純粋に立場を気にせず自分の思ったように動いているので、大人になってから見るのと、子供の時に見るのとで印象が変わりそうです。

どっちの立場にもなれるアルの存在が、これまでとは違う感じをまた演出しています。今までは、明確に敵と味方がはっきりしていたのがあるので、あくまで中立としての存在としてバーニィともクリスとも接しているのが、純粋でいいなと思います。

後半3話では、バーニィと一緒に来ていたの味方がみんな死んでしまいます。しかもかなりあっけなく。白兵戦で銃撃に倒れてしまうわけですが、ほんとにあっさりと一瞬で散ってしまうといいますか…。これが、本来の戦争なんでしょうね…。

ケンプファーという、かっこいいモビルスーツも登場します。

ガンダムのガトリングガンで数分でやられてしまいます。

このシーンで、圧倒的な戦力差を見せつけられます。

当時のガンダムって、たった一機でここまで圧倒的な存在だったんですね…。

初代のガンダムも、圧倒的強さでジオン軍に恐怖を与えていたわけですが、これまでは視聴者もどちらかと言えばガンダム側

アルがジオン側と密接にかかわっていることもあり、見ている視聴者もジオン側として見る側面が強くなると思うのですが、立場が変わるとここまで恐ろしくなるのは衝撃でした…。ラスボス感ってやつですね…。

知らない故に

 最後は今までのものが大きく覆される展開で、心の中で「お願いだから…!」ってなってしまう場面が多かったですね…w。あのときこうしていればなんて考えてしまいます。

クリスとバーニィが好意を抱いているのがわかるシーンも、いろんな箇所に散りばめられているため、さらに辛いといいますか…。

クリスマスまでにガンダムを倒せなかった場合、コロニーに核を落とすという作戦を告げられるバーニィ。あれだけの戦力差を見せつけられたので、生きるために逃げることを一度は決意します。でも、アルやクリスの住むコロニーを救うために、ガンダムを倒す意思を固めます

核が落ちる事情を知って、周りの人達に伝えようとするも受け入れてもらえず、バーニィに助けてと言うしかないアル。よりによって、離れてたお父さんもクリスマスの日にコロニーに帰ってくるとか言われるとなおさらですよね…。ですが、アルもこの時は幼馴染であるクリスがガンダムのパイロットだということは知らないんです…。

戦うことを決意したバーニィは、半分以上は私情で動いているとはいえ、男として動いた感じがあって、かっこよくも若いなと感じたり。

ただ、その戦う相手がクリスだということはバーニィも知らないわけで…

 

アルと一緒にザクを修理し、戦いに臨むバーニィ。ここでアルとの友情がさらに深くなっているっていう…。

ですが、なんと核を落とす予定だったジオン軍が連邦に拘束され、作戦は中止に。

父親からその話を聞いたアルは、戦う必要がなくなったことを伝えに走ります

しかし、時すでに遅くバーニィとクリスの戦闘は始まり、最後には無情にもガンダムのビームサーベルがコックピットに刺さり、ザクは大破します。ガンダムもかなりのダメージを負うことに

最後まで、バーニィとクリスは事情を知らないまま別れを迎えることになってしまいました。

大破するザクを目の前で見たアル。壊れたガンダムのコックピットから救出されるクリスの様子も同時に目撃します。倒せ倒せと言っていたガンダムには幼馴染が乗っていて、その幼馴染に仲良くなったバーニィを殺されてしまったのを、一瞬のうちに味わうことになります。

戦争ゆえのどうにもできない部分が詰まっている気がしました。

最後に

 すべての事情を知ったアル。学校に行く前の父親のセリフにもありますが、大人へと一歩成長したのが見受けられます。

ここまでの間にいろんな人たちに触れあってきて、いろんな意見や想いを聞いて、知らなかった戦争の大変さに直面してきました。

ハードだなぁ…とは思いましたが、バーニィやクリス達と出会っていたのが幸か不幸か、成長につながった気がします。

バーニィからはビデオメッセージを預かっており、その内容は大人たちに信用してもらうためのこれまでの情報。そして、相手を恨まないでほしいこと。について語られていました。

クリスにもよろしく」のメッセージも。

全て知った状態で日常へと戻るアルは、ほんの少し成長していつも通りの日常へと戻り、物語は幕を閉じます。

後半の、もうどうすることもできず、戦いの意味すらもなくなってしまう様は、世間の不条理に振り回されている感じがして、見ていて辛くなりましたね…。

辛い辛いと書いてしまっていますが…w、それだけ全6話のうちに込められた人間ドラマ。本来なら大きく語られることのなかった人達の活躍が描かれた本作の魅力の凄さが表れています。

30年近く前の作品にはなりますが、色あせず愛されている理由がわかりました。

他作品に触れていなくても、新鮮に入り込むことができ、テンポも非常によく進みますのでじっくりさっくりと見れると思います。辛くなるとは思いますが…w。

ガンダムが好きならば、絶対に触れておくべき作品だなとは感じました。

思ったことをガシガシ書いてみました。また何かの機会があれば。

ではでは。


曲も凄く良いのでリンクを貼っておきます。

オープニング:いつか空に届いて

椎名 恵 「いつか空に届いて -機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争オープニングテーマ」
椎名 恵の「いつか空に届いて -機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争オープニングテーマ」 をレコチョクでダウンロード。(iPhone/Androidアプリ対応)

エンディング:遠い記憶

椎名 恵 「遠い記憶 -機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争エンディングテーマ」
椎名 恵の「遠い記憶 -機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争エンディングテーマ」 をレコチョクでダウンロード。(iPhone/Androidアプリ対応)

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