[感想]新世紀を知らない世代が見るエヴァ「シン・エヴァンゲリオン劇場版」

シン・エヴァンゲリオン劇場版

こちらの作品を見た感想を書いていこうと思います。

ちなみに、ラストラン記念としてカット割りが変更された新バージョン、『EVANGELION:3.0+1.01』を見てきました。

 

タイトルにも少し書きましたが、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」ならびに旧劇場版と呼ばれる作品を見たことがありません。(有名なシーンなどの知識はあります)

 

新劇場版の三部作だけを見て、今回の完結編に臨んでいます。

アニメ放送当時から見続けてきた人たちとは少し違った視点になるかもしれませんが、お付き合いいただけると幸いです。

  

 

ネタバレ含みます。

よろしくお願いします。

 

     

 

ついに完結

 新劇場版の一番最初の作品の公開年はいつだっただろうかとふと振り返ると、2007年でした。

そこから時が過ぎて2021年。ついに公開された最終作品。14年の歳月は、時の流れを痛感します。

そんな思いにふけりながら劇場のスクリーンと対面。

 

正直、これまでの序破Qの内容に関して完全に理解しているのかと言われると、そうではなく、そこまでじっくりと見てきたわけではありません。

Qのラストで三人が歩いていたのをなんとなく思い返しながら、スクリーンに映し出されたのはパリでの戦闘。

あとで回収される内容にはなりますが、どことなく地続きに見れる感じではなく、いきなり衝動的に激しく圧巻されるシーンから始まるのは強烈でした。

目まぐるしく動くカメラ。休む暇を与えないテンポ。あと、銃火器の発する音が凄くて、耳をつんざくなんていうワードが飛び出してくるぐらいにはリアルな戦闘を生み出していました。

 

マリのエヴァの操縦がかっこよかったです。プロのレーサーぐらいグルグル回してた。

これだから若い男は、こういうシーンに見惚れてしまう。

 

一日、また一日

 第3村でのシーン。さっきまでの戦闘シーンとは打って変わって、会話やちょっとした仕草に注目するポイントとでも言えましょうか。

避難してみんなが集まった村が第3村になるわけですが、今までのSFチックなものから一転してノスタルジックな田舎っぽさが垣間見えます。

避難先とはいえ、危険に合わない今の時間の大切さが、過去作を見てると感じられます。正直、どうやっても後戻りできないぐらいめちゃくちゃになってましたから、こういう日常があるというだけでも安心してしまいます。

 

ザ主人公な感じのキャラクターをたくさん見てる人ほど、シンジ君の状態にイライラしてくるかもしれません…w。

話しても反応がない。(途中のアスカとのシーンを見てると、あえてなのか…?)まともに食事もしない。抜け殻みたいな状態になっています。

徐々に立ち直ってはいきますけど、それまではなかなかしんどい。

とはいえ、思春期真っ只中の少年が背負うにしてはあまりにも大きすぎる責任だったり、それに伴って失ったものも多かったわけですから、時間は必要。

本人が疑問に思うぐらいの周りの優しさ。大人と子供故にQで空いてしまった時間の差を感じます。

かっこよく前進するのが普通だと思っていた主人公像を、シンジ君のような主人公の姿もあるんだよと見せてくるあたりが、絶妙な対比のギミックになっている気がします。

村を出る前の決断に関しては、王道の主人公らしさを感じましたね。

アヤナミ(仮称)が何も知らないわけでいろいろと質問を投げかけるシーンがあります。

村の人たちも一切嫌な顔せずに答えてくれるわけで、こんな思考の人たちが世の中もっと増えればなぁと思ったり。

アヤナミ(仮称)の質問の内容的には、本来ならばなにも考えずに行っているぐらいには当たり前のことばかりなのですが、改めて考えるとどういう意味なのかなとか、自分ならどう答えるだろうかなど考えさせられる場面ではありました。

 

おそらく、今作の中で最もリアルな動きを見せたシーンが、アスカがシンジにレーションを食べさせる(無理やり)シーン

ヒリヒリした演技もありますが、全体的にゾワっとしましたし、CGとイラストの狭間を絶妙に行ったり来たりしていて凄かったです。

アイマス劇場版のお菓子のシーンなんかがわかりやすいかもしれません。

ヤマト作戦

 いざ作戦実行へ。

無知な自分としては、ここからエヴァらしさといいますか、エヴァにしか許されないような演出の数々に驚かされました。

ガンダムなんかもそうですが、どちらかといえばガンダムに焦点が当たっているわけで、ここまで戦艦側に焦点があたって戦闘が繰り広げられていたのは今考えたら珍しい気がします。もちろんエヴァにも焦点は当たっているのですけれど。

やっぱりといいますか、無双状態にはならないわけで、数で圧倒してこられるとかなりのジリ貧状態。ぼろぼろになりながらの戦闘はヒヤヒヤします。

シンエヴァが完成するまでの特番を見ていると、本当にカメラワークに対して試行錯誤してたんだろうなと感じました。初見だと、どういう状況なのかがつかみにくいんですけど、それを上回る迫力があったと思います。映像と音のシンクロが凄かったです。

 

シンジ君がエヴァに乗るか否かの問答。

シンジ君がエヴァに乗って、最善と思う行動をとっても、取り返しのつかない結果がついてきてしまったわけで、ここでもう一度搭乗するのか。

対立する意見の収まりどころに注目なのかなと思います。

 

シンジ対ゲンドウ。

まさにラストバトルですよね。完結がさらに濃厚になってきました。

戦いの中で対話を繰り返す二人の描写を見ていると、お互いが話す、聞く姿勢を持って対話することの重要性なんかに気づかされます。

もっとお互いの利害を知れる機会があったのではないだろうか?それがあった世界線なんかも考えてしまいます。

過去の新劇場版において、重要な部分となったシーンを背景に様々な場所で戦闘を繰り広げます。

唐突に、制作における舞台セットまで出てきましたが、あとあとにつながっていたみたいです。

 

いつもの電車の中でゲンドウの過去が語られます。

一人が好きだったゲンドウのもとに現れたユイの存在。

なんというか、見てる視聴者にも投げかけられているような状況な気がしました。

 

かけがえのない人を見つけたら人生観が変わるぞ。

そんなメッセージに。

 

新劇場版の物語

 リリスの顔がレイの顔になったり、シンジがいろんな人と改めて対話をしたり、あれよあれよと様々なカットにつながります。

ゲンドウとユイが最後の最後にまた触れることができたような描写もあったりします。

このあたりのシーンは旧劇場版やテレビアニメ版を見ていた人たちに大きく響くのだろうと思います。

後々調べてみると、内容的にはバッドエンドだった旧劇場版でのシーンをリブートしつつ、シンエヴァの終盤にまとめていたみたいです。

 

じゃあ、このシーン全てにおいて旧作を見ていなければ響かないのか?と言われると

そうではありません。

 

新劇場版しか見ていない自分でも、改めて今までのキャラクターと対話している部分には響くものがありました。

対話の中で出てきた、アスカ、カオル、レイ

三人共にスッとしない感情がシンジの中では残っていたような気がして、それは見ている視聴者側にも同じことがいえる気がします。

もう一度出会い、会話することでどこかモヤっとしていた部分が晴れたようなそんな気分になれました。

旧作を見ていた人たちも、新劇場版しか知らない人たちもどちらにも響くのは間違いないです。

テレビアニメ版を見ていたわけではないのに、過去の映像が流れた時は、フィクションであるはずの映画の世界と何かリンクした感覚になりました。

スクリーンのむこう側にもしっかり届けようとしてくれたんだなと

 

One Last Kiss

 エヴァのない世界の最後のシーン。

必ず迎えに行くと言い続けていたマリと再会し、大人になったシンジが声も変わっていてビックリしちゃいました笑

他のキャラクターたちも喋るシーンこそありませんが、エヴァのない世界での生活が見受けられました。

最後のシーンは実写の世界と混ざりつつエンディングを迎えます。

シンジの声が神木隆之介さんになっていたのも、声優さんとか俳優さんの垣根を超えたような感覚もあったのでしょうか。

 

エンディングテーマは

宇多田ヒカルOne Last Kiss

この曲のMVですが、日常の風景を切り取った描写がたくさん収録されています。

監督も庵野さんが務めているのですが、MVが公開されたときはたまたまそういうディレクションをしているのかと思っていました。

映画を見ると大きく解釈が変わりました。

第3村の場面や、最後のエヴァのない世界を含めて、日常に触れるシーンが作中での大きなポイントになっていたのが、このMVにも活かされているのではと感じました。

エンディング後にシンジとマリが見た風景にも感じましたね。

解釈は人それぞれですが、映画を見た後の現実世界に届くものが強く意識されている描写が、アニメと現実を強くリンクさせるものになっているのでしょう。

 

One Last Kiss」が流れたあと、「Beautiful World」のアレンジが流れました。

映画を見る前にシングルを購入して聞いてしまったのは惜しいことをしてしまったかもしれません…笑

逆を言えば、「あのアレンジ版、ここで流れるのか!」という気づきがあってよかったです。

新劇場版とは切っても切れない大事な楽曲。

劇場で聞くとやはり感動も少し違います。

 

宇多田さんの楽曲って、どうしてこうもエンディングテーマとして存在感が強いのか。

もちろん映画の内容がよかったというのもありますが、それをプラスワンして最後まで余韻残す存在感がやはりあるなと改めて感じました。

 

桜流し」も忘れられません

 

まとめ

 ここまで書いてきて、「新世紀エヴァンゲリオン」及び旧劇場版を見ていなくても、十分すぎるぐらいに届くものがあるというのが伝われば幸いです。

新劇場版に関しても、序破Qは劇場では見ていなくて、今作だけ映画館に足を運びました。

知識量も好きの度合いも他の人に比べると薄いでしょう。

でも今作は劇場で見ておきたい

そう思って足が劇場へと向かうぐらいに、これまでの新劇場版は長い年月のターニングポイントに確実に誰かの心を掴むために存在してきたと言っても過言ではありません。そんな新劇場版の最終章。劇場で見なければという思いは強くなるかなと

旧作を知らない人間でも、キャラクターへの愛着が強くわいてきたもので、最後のシーンを見ただけでも、過酷な場面を経験してきたキャラクターたちの未来のある今後が見えて、救われたように感じました。

もうたくさんの人たちが見ていると思いますが、さらにいろんな人のもとに届きますように。

 

ではでは

 

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