amazarashi
「令和二年」
こちらの楽曲についての考察及び感想を書いてみます。
楽曲概要
この楽曲。リリースこそ12月ですが、初披露されたのはもう少し前。
「朗読演奏実験空間“新言語秩序”」こちらのライブ映像がYouTubeで限定配信された際に、ライブ映像終了後、弾き語りで披露されたのが2020年の6月でした。
ちなみに、「朗読演奏実験空間“新言語秩序”」こちらの映像は現在販売中ですので、ぜひぜひチェックしてみてください(´▽`)
いろんな人の令和二年
旅支度終え 誰か呼ぶ声 情熱からおよそ遠い情熱 今日ならば晴れ 風はしわがれ 旅立つことない旅立ちの日
一番最初にこのような歌詞が出てきます。
2020年3月。amazarashiは『ボイコット』というアルバムをリリースしています。
アルバムのリリースツアーも控えていました。
リリースを終えて、ライブの呼び声にさぁ答えよう。気持ちを燃やして臨もうとしていたものの、結果として延期という形になってしまいました。
この最初の歌詞には、煮え切らない思いのようなものが描かれているかなと感じます。
君の鼻歌 今日ばかりは この街のBGMみたい 頼りなさげなマスク越し
街も今までの日常に比べると少し静かになりました。騒がしい場所が苦手な自分にとっては、メリットのようなデメリットのような、複雑な気持ちです…笑。
好きなアーティストの音楽に耳を傾けながら歩く機会が多いため、非常に共感できます。
「頼りなさげなマスク」なんていう表現。皮肉な感じ…笑。
でも実際、マスク一つでどうにかなるようなものでもなくなってきています。
とげられぬ夢 やむを得ぬ故 恨めしく睨む空 令和二年 封切りの映画 新譜のツアー 中止の入学式 令和二年
見ていただければわかるストレートな内容。
この令和二年で起きてしまったことが羅列されています。
「封切りの映画」というのは、
[映画が初めて一般公開されること]
を意味しています。勉強不足だったので調べてみました…笑。
歌詞を調べると、経験値不足でわからない意味の部分もたくさん出てきます。
個人的にメモとして残していきたいので、自分がわからなかった部分は書いていこうかなと思います。こんなのも知らなかったのかと笑ってやってください…w。
大人であるamazarashiが「中止の入学式」というワードを選んでくれたのは、学生さんにも響くものがあるはずです。
変わる日常
焦りと暇を持て遊ぶ歌 物理的でないからこそ痛む
「持て遊ぶ」という言葉選ぶが秀逸です。あえて「弄ぶ」にしていないところ。
焦りの感情を持つ人。都合上、暇な時間が増えた人。いろんな人が「持って」しまった事象。
なんとなくですが「遊ぶ」ように気が付けば時間が過ぎていた気がします。
気分的には全く遊べてはいないですが…w。
「物理的でないからこそ痛む」
肉体的に感じる痛みっていうのは、健康になればいずれはなくなります。
ただ、精神的なものになってくるとどうにもいかない場面も多くなってきます。
それゆえに感じる「痛み」のつらさが滲み出ています。
歩道でキャッチボール 子供らの笑顔と不均衡 こんな時でもお腹だってすくもんな
今までの日常と、変わってしまった日常の対比のように感じます。
外で元気に遊ぶこと。今までなら当たり前だけれど、令和二年に限ってはそれすらも憚られてしまうようになってしまっている。
でも、当たり前のように今まで通りお腹はすいてくる。
こんな対比かと。
買出しに行く 君を見送る それだけで憂う 令和二年 カーテンを閉めるのに何故戸惑う 夕日に君の背中 令和二年
一番サビの残念に思う場面とは、また少し違っています。
買い物のために外に出る。キャッチボールの場面と同じですが、外に出るのが億劫になってしまい、身内が出かけるのも心配になってしまう場面が多くなっと思います。
今までなら普通に見送っていたのに。
そんな何かが変わってしまったのが見受けられます。
何をするか。何をしていくのか
優しくすることもできる 傷つけることもできる 武器にも薬にもなるなら 僕はどちらを選ぶだろう
ここは後の歌詞の見方にもよりますが、二通りの解釈が浮かんできます。
SNSのことを言っている。もしくは
これから先の行動のこと。を言っているのかなといった感じです。
変わる 世界の隅っこで 分かつ 個々の小宇宙 繋がる術を持つ僕らの 心 応答せよ
個人的には、「これから先の行動のこと」としてとらえています。
「個々の小宇宙」は個人それぞれの可能性についてで、世界が変わる中でこれからどうしていくかは、それぞれ大きく変わっていく。
繋がる術は、時代が進んで多くの人が持っています。
「心 応答せよ」というワードはamazarashiらしいですね(^^)
仕事がなけりゃ 先立つは金 見捨てられた市井 令和二年 先は見えない 「けど大丈夫」 僕に嘘をつかせた 令和二年
「市井(しせい)」というのは、人家が集まっている所という意味。
ラスサビは特に令和二年の暗い部分を持ってきています。
「けど大丈夫」っていう嘘すらもつけなくなるのでは…?と考えると少し怖いです…。
だからこそ、新しい手段をそれぞれが見つけていくことがこれから大事になるのかもしれません。
ストレートな歌詞が多いこと。令和二年を実際に味わったこと。これら二つが重なることで、より共感しやすい楽曲だなと思います。
大好きな音楽を届けてくれる人たちの音楽の届け方なんていうのも、少しずつ変わるのかもしれません。
どんな形であれ、追いかけていきたいなと思います(´▽`)
令和二年というタイトルをつけて楽曲にできるのはamazarashiぐらいかなと思います…笑
それぐらいアーティストのカラーや世界観が強いバンドです。
気になった方はぜひほかの楽曲にも耳を傾けてみてください。
ではでは(^^)
amazarashi公式サイト

『令和二年、雨天決行』特設サイト

『令和二年、雨天決行』インタビュー記事

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